効果を実感できるタイミング、どうして効果に時間がかかるのか?

肌の再生医療「線維芽細胞移植術」の効果ですが、時間がかかることが“悪”というイメージを持たれている方も多いと思います。一部の心ない医療機関からは効果の出現に時間がかかるのは技術的な問題かのような表現を用いていられるようですが、そもそも本当の意味での肌の再生は時間がかかるものなのです。
肌のターンオーバーは4週間、約1ヶ月ほどかかります。肌の角質が生まれ変わるのにそれだけの時間を要するのです。それが真皮層のようにさらに深い層ともなるとさらに時間がかかってしまうのは仕方のないことです。
もちろん、細胞移植の際に、ヒアルロン酸や成長因子などを混ぜれば当然擬似的な見た目の若返りは可能ですが、私たちが考える肌の再生医療はそのような治療ではありません。肌を本質的に若返らせる、生理的な若返りを目的とする治療ですから当院ではヒアルロン酸等を一切混ぜることなく細胞を移植しています。
―どうして効果の出現に時間がかかってしまうのか
先ほど肌のターンオーバーについて約1ヶ月かかると話しました。一番表面部分の角質ですら生まれ変わるのにそれだけの時間がかかります。しかし、深い層ともなるとそれほど簡単なことではありません。真皮層に移植した肌細胞が働き出し、コラーゲンやヒアルロン酸が作られるのは決して時間がかかる訳ではありませんが、ある程度の働きがなければ効果として実感することはできません。そのため、肌が若返った、何かしら肌質がよくなってきたなど、若返り効果として実感できるのにはかなり時間がかかってしまうのです。
―効果には年齢や個人差も関係している
肌の若返りを実感していただくには、その方の肌の衰えの程度などが大きく影響してきます。肌の再生医療は細胞を補充する治療ですから、当然、年齢に大きく影響します。30代の方と60代の方とでは失われてしまった細胞の数が全く違います。
当然、30代であればそれほど細胞は失われていないでしょう。その肌の状態に細胞を補充しても、効果を実感するには時間を要します。しかし、60代ともなると細胞は大幅に減少しているため、細胞補充すると肌のハリや弾力、乾燥肌の改善などの効果を速やかに実感して頂くことができるのです。
―大切なのは細胞を補充することにある
肌の再生医療で最も重要なのは、肌(真皮)にいる線維芽細胞を増やすこと。艶感・弾力のある肌というのはコラーゲンやヒアルロン酸が満ちている状態です。残念ながら肌のコラーゲンやヒアルロン酸を増やすのは飲んでも塗っても効果はありません。
なぜなら肌のコラーゲンやヒアルロン酸を増やすことができるのは肌細胞だけだからです。最近の研究ではコラーゲン等を飲むことで肌のコラーゲンやヒアルロン酸が増えた?という報告を目にします。
ただし、それらはすべて摂取したものが肌に移行した訳ではありません。今、考えられているのは、摂取したことで肌細胞に対し何かしらのスイッチが入り細胞が活性したことによって、コラーゲンやヒアルロン酸が増えたのでは?と考えられているのです。しかし、これらはすべて空論です。何ら証明されている訳ではありません。
大切なのは細胞を増やすことです。
コラーゲンやヒアルロン酸を作り出す細胞「線維芽細胞」が少なければその効果も少ないのです。肌の若返りで大切なのは、細胞を活性化させることではありません。細胞そのものを増やすことが大切であるということは忘れないで下さい。