治療後の肌の状態と経過について – 皮膚片の採取 –

術後の肌の状態と経過
肌の再生医療「線維芽細胞移植術」の皮膚片の採取と血液採取の術後の状態と経過についてご案内します。
皮膚片の採取
皮膚片は基本的には耳の裏側から採取します。写真のような範囲、採取量は6〜7㎜程の皮膚片です。左右どちらかから採取しますが、その方の希望や寝るときの癖などから判断します。
耳の裏側であるという点、耳の基部(付け根部分)から採取するため傷跡は目立ちません。

まず始めに採取する部分に麻酔の注射を行います。確実に麻酔の効果が出ている事を確認し、皮膚を切開します。採取予定量の皮膚を切除し、しっかりと止血を行った後傷を縫合して皮膚片の採取を終了します。
術後のドレッシングですが、軽くガーゼで傷の部分を圧迫しテーピングします。その圧迫は翌日に除去していただき、その後は開放状態でかまいません。基本的には抜糸を推奨していますが、遠方等で通院が困難な方は縫合しない方法や吸収糸を用いて傷を対処します。

血液の採取
続いて血液採取をします。採取した皮膚片から線維芽細胞を抽出する作業と抽出した線維芽細胞を培養する工程において血清が必要となるため自己血を採取いたします。採取の方法は採血検査と同様の方法です。採取量は移植する細胞数(移植部位)によって変動します。200mlから300ml程度の血液を採取するとお考えください。大量の血液を採取すると不安を感じる方もお見えになりますが、献血量よりも少ない量であり健康等に問題を引き起こす心配はございません。
ただし、採取量で不安な方は数回に分けて採取することも可能です。不安な方はお気軽にご相談下さい。